県指定文化財-史跡・名勝・天然記念物
更新日:2021年8月20日
田束山経塚群(文化財一覧 No.15)
- 読み方 タヅガネサンキョウヅカグン
- 指定日 昭和52年4月26日
- 所在地 本吉町午王野沢(外部サイトにリンクします)、南三陸町歌津樋ノ口
- 管理者 大田和山組合、気仙沼市、南三陸町
- 分類 史跡
平安時代末期の経塚群で、市の南部に位置する田束山(512メートル)の山頂にある。田束山は古くから修験の山として有名で、黄金文化を開花させた岩手県平泉の藤原秀衡は、深くこの山を信心し、山頂に羽黒山清水寺、中腹に田束山寂光寺、北嶺に幌羽山金峰寺などを造営したと伝えられている。経塚の造営は末法思想に基づくもので、末法の世になると法も秩序も無くなり、世の中は荒れに荒れ人心ことごとく乱れるため、弥勒菩薩が下生し衆生を済度するまで、大切な経典を保存しようというのが目的であったが、時代がくだるにつれ埋経が現世利益、極楽往生、追善供養として行われるようになったとされる。発掘調査された第5号経塚では、石室の中から青銅製の経筒と経巻(法華経)が発見されており、経筒の底には松喰鶴鏡がはめ込まれていた。これらの経筒は、藤原末期のもの(800年以前)と推定され、宮城県内では最古の経筒であるとされている。また、周辺からは経容器と考えられる三筋壷なども見つかっている。
巨釜半造(文化財一覧 No.16)
- 読み方 オオガマハンゾウ
- 指定日 昭和34年8月31日
- 所在地 唐桑町中(外部サイトにリンクします)・小長根
- 管理者 気仙沼市
- 分類 名勝
気仙沼湾の東に突出している唐桑半島の東海岸に位置している。北上山地の基底の石灰岩層の海岸で、三陸リアス式海岸の屈曲の多い海岸線を形成している。前田浜の湾入部を堺として北を巨釜、南を半造と呼んでいる。島には板状節理が現れ、いたるところに奇岩を連ねて、見る者の眼を楽しませてくれる。特に巨釜海上の折石は、高さ16メートル、幅3メートルの石柱で、明治29(1896)年の三陸大津波の時、先端が2メートル程折れたことからこの名がついたと言われている。半造には鍾乳洞が見られる。遠景も北方には広田半島、氷上山を望み、東方には広く金華山を望むことができる。
下二本杉(文化財一覧 No.17)
- 読み方 シモニホンスギ
- 指定日 昭和25年5月12日
- 所在地 唐桑町馬場(外部サイトにリンクします)
- 管理者 気仙沼市
- 分類 天然記念物
今から約800年前に早馬神社の参道に献植したものと伝えら、稀に見る巨木である。二本の老杉はわずかな間隔で東西に並列し、地元では夫婦杉と呼んでいる。東株の樹高は29メートル、幹回り4.95メートル、西株は、樹高23メートル、幹回り5.50メートルである。かつてはこの上手に上二本杉があったが伐採され、下二本杉のみがその勇姿を見せている。
羽田神社の太郎坊・次郎坊の杉(文化財一覧 No.18)
- 読み方 ハタジンジャノタロウボウ・ジロウボウノスギ
- 指定日 昭和30年3月25日
- 所在地 赤岩上羽田(外部サイトにリンクします)
- 管理者 羽田神社
- 分類 天然記念物
気仙沼湾を遠望する羽田山(標高320メートル)の山腹に鎮座する羽田神社の境内にある。社殿に向かって右側が太郎坊で、樹高約46メートル、根幹境界部の周囲は8.82メートル、地上1.5メートルの幹囲6.93メートル、枝張り東西17メートル、南北13.5メートルである。次郎坊は社殿の左側にあり、樹高約44メートル、根幹部の周囲は9.1メートル、地上1.5メートルの幹囲6.7メートル余で、枝張は東西14.5メートル、南北12.5メートルである。次郎坊の梢はやや枯死しているが、どちらとも樹勢がなお盛んで、姿もまた美しい巨樹である。このスギは、平安時代末期、兄の源頼朝に追われた義経を助けて倒れた尾形三郎惟義の長男小太郎惟久、次男惟村によって手植えられたものと言い伝えられ、樹齢は800年と推定される。
岩井崎石灰岩化石(文化財一覧 No.19)
- 読み方 イワイサキセッカイガンカセキ
- 指定日 昭和34年8月31日
- 所在地 波路上岩井崎(外部サイトにリンクします)
- 管理者 宮城県
- 分類 天然記念物
岩井崎は、気仙沼湾の南端にある景勝地で、黒色粘板岩、石灰岩や砂礫層が観察できる。露出する岩石には、さまざまな化石が含まれており、わが国における古生代ペルム紀の化石産地として知られている。岩井崎の石灰岩は、今から約2億5千万年前、日本列島がまだ海だったころ、海底にあったサンゴ礁とその上に堆積した砂や泥、古生物の死骸などでつくられた地層がその後の地殻変動で地上に隆起し現れたもの。特に石灰岩からはサンゴ、腕足類、フズリナ、三葉虫など数十種類もの化石を豊富に含み、当時の環境や生物の進化を知ることのできる貴重な学術資料である。
平八幡神社の大サワラ(文化財一覧 No.20)
- 読み方 タイラハチマンジンジャノオオサワラ
- 指定日 昭和34年8月31日
- 所在地 川原崎(外部サイトにリンクします)
- 管理者 平八幡神社
- 分類 天然記念物
平八幡神社参道の両側にある。おそらく両側に五本ずつ植えられたものと思われるが、現在では社殿に向かって右側に4本、左側に2本残っている。樹高は25メートル内外、地上1.5メートルの幹回りは約5.05メートルを最大とし、小は約3.77メートルでいずれもサワラとしては県下稀にみる巨木である。ヒノキによく似た日本特有の常緑針葉高木。樹脂を多く含みほのかに爽やかな香りを放つのが特徴で、「ヒノキよりさわらか」ということからこの名がついたといわれている。宮城県はサワラの自然分布上の北限とされているが、その北限地帯にこうした巨木が多く繁茂しているのは学術上貴重である。
久保のカツラ(文化財一覧 No.21)
- 読み方 クボノカツラ
- 指定日 平成19年2月16日
- 所在地 久保(外部サイトにリンクします)
- 管理者 個人
- 分類 天然記念物
明治末から昭和初期に活躍した田園歌人熊谷武雄の生家の南西にある。カツラ科カツラ属の落葉広葉樹で、北海道から九州まで全国に広く分布する日本固有の樹種。葉は甘い香りを放ち、葉から抹香をつくるため、別名を「香の木」ともいう。このカツラは、樹高34メートル、地際の幹回りは13メートル、枝張り25メートル。中央の幹の先端はやや朽ち、根元から大小20数本の幹を分岐し、大きな株を形成し、箒状に散開して美しい樹形を保っている。カツラは雌雄異種でこの木は雌樹である。
樹齢は約800年以上と推定され、樹勢盛んで宮城県内では最も古く、国内でも有数のカツラの巨木である。
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