「気仙沼スローフード」都市宣言の背景について
更新日:2019年8月19日
「食」を見つめる。ずっと美味しい都市。
私たちが暮らす気仙沼は、リアスの海と豊かな山々に抱かれた美しい自然に支えられてきました。
気仙沼の人々は、親潮と黒潮がぶつかる豊かな海とリアス式海岸が形成する地形により、ひと所にいながら、海と山との両方から恵みを受け、独自の食文化や生活様式を大切にはぐくんできました。
現在、気仙沼が取り組んでいるスローフード運動は、料理そのものだけに関心を持つのではなく、自然から私たちの口に運ばれるまでの過程についても思いを巡らし、生活の中ではぐくまれてきた食を次世代に伝え、個性的で魅力あるまちであり続けるため、「気仙沼スローフード」都市を宣言しました。
注:宣言文は関連ファイルから御覧ください。
スローフード運動の歴史
スローフード運動は、その言葉自体が比較的新しいこともあり、その内容も広く知られてはいないかもしれませ ん。運動自体は、世界的なファストフード店のローマ進出を機に、食の画一化・荒廃を懸念する市民によって1980年代後半にイタリアで起こったもので、以後、世界150か国、10万人を超える人々が運動に参加しています。
スローフード運動の目指すもの
イタリア北西部のブラに本部を置くスローフード協会(Slow Food International Office)では、次の3つの活動方針により運動を展開しています。
- 消えつつある郷土料理や質の高い小生産の食品を守ること。
- 質の高い素材(食材)を提供してくれる小生産者を守っていくこと。
- 子供たちを含めた消費者全体に味の教育を進めていくこと。
スローフード運動をめぐる3つの誤解
1.ファストフードを否定するだけの運動ではありません。
スローフード運動は、イタリア・ローマへのファストフード店進出をきっかけに生まれた運動ですが、「あれはダメ・これはダメ」と、何かを否定するといった了見の狭い考え方ではなく、それ以上に、地域の伝統的な料理や食材、そして食文化を大事にしていきましょうという運動なのです。
2.ゆっくり食べることを勧める運動ではありません。
スローフード運動の「スロー」は、だらだらと時間をかけて食べることをいうのではありません。普段、何気なく口に運んでいる食べ物について、一度じっくりと見つめてみませんかという考え方です。
3.特定の食べ物(郷土料理)を示す言葉ではありません。
日本には日本、また、地域には地域固有の食材や食文化があります。スローフード運動の発祥地はイタリアですが、決してイタリア料理を示す言葉ではありませんし、美食を追求する「グルメ」を示す言葉でもありません。
気仙沼が進める「スローフード運動の核心」
スローフード運動は、食を通して自然や暮らしを考え、食がつなぐ様々な関係性や地域の様子を改めて見直すことと言い換えることができます。そうした取組が、自分達が住む地域の魅力の発見、地域の資源を活用した魅力あるまちづくりにつなげ、市民の心を豊かにし、同時に地域経済の活性化をも狙うものです。
気仙沼のスローフード運動に関する取組を掲載したパンフレットは、下記の関連ファイルから御覧いただけます。
このページに関する問い合わせ先
震災復興・企画部 震災復興・企画課
震災復興・総合企画係(0226-52-0694)